ケーススタディで見るPower Platform内製化のポイント

 Apr 23, 2024 8:00:00 AM  富士フイルムデジタルソリューションズ株式会社

近年、アプリの新規開発や改修、IT人材不足、コスト削減などの課題への対応策として注目を集めているのが、ノーコード/ローコード開発です。
ノーコード/ローコードプラットフォームの導入は2020年以降急拡大しており、キーマンズネットが2022年に実施した「ノーコード/ローコード開発ツールの利用状況」に関するアンケートによると、ノーコード/ローコード開発ツールが普及していると「とても感じる」(8.9%)、「やや感じる」(36.5%)を合わせて、45.4%がノーコード/ローコード開発ツールの普及を実感しています。*1

Power Platform はMicrosoftが提供するプラットフォームで、ノーコード/ローコード開発ツールを活用したアプリケーションの作成、データの収集・分析・統合が可能です。
Power Platformは、Power Apps(アプリの画面/入力IFを簡易に作成できるサービス)、Power Automate(入力されたデータの制御、格納を可能にするサービス)、Power BI
(格納したデータの多面的な分析を助けるサービス)、Power Pages(社外に作成したアプリや画面を共有し活用を可能にするサービス)の4つの主要サービスで構成されています。
Power Platformを活用することで、迅速なアプリ開発や業務プロセスの効率化が実現できるでしょう。また、既存のシステムやデータとの連携も容易に行えるため、組織全体のデジタルトランスフォーメーションを推進することができます。さらに、Power Platformはクラウドベースで提供されるため、拡張性やセキュリティに優れています。

ノーコード/ローコード開発が注目される一方で、業務改善や効率化に向けてPower Platformを活用したいが、そもそもどの業務がPower Platformで改善できるのかわからない、忙しくて勉強する時間が取れない、などのお悩みを抱えていたり、社内に散在したデータを一元管理・可視化したい、一部の技術者に負担が集中しないよう内製化したい、と思われていたりする企業様も多いのではないでしょうか。
今回は、ケーススタディをもとに、Power Platform内製化のポイントを探ります。

ケーススタディ:日報登録アプリの開発・導入とPower Platform内製化の促進

【お客様問題】

  • 日報登録アプリがない
    SFAに活動記録登録機能がなく、営業活動内容を把握できない。また、営業部だけでなく、全社で使用できる日報登録アプリが必要。
  • 社内のIT人材育成
    社内にIT人材が不足しているため、社内のIT問題を自分たちで解決できない。

【製品選定理由】

  • Power Platform はMicrosoft 365ライセンスで利用可能で、追加のランニングコストがかからない
  • Power Platform は、IT人材不足を補うために習得が容易なノーコード/ローコードツールである

【お客様のご要望】

  • 利用SFAの機能不足を補完する日報登録アプリ  の新規開発・導入
  • Power Platform活用に向けた教育支援

【プロジェクト概要】

内製化を見据えて以下1~3のステップで実施します。
1.日報登録アプリ開発・導入(約1.5ヶ月)
お客様の要件に基づく日報登録アプリの新規開発・導入

2.Power Platform教育(2日間)
情報システム部門の担当者様だけでなく各事業部の担当者様も対象としたPower Platform概要説明やハンズオンによるサンプルアプリの作成

3.Power Platform技術支援(3ヶ月)
Power Platform(Power Apps/Power Automate/Power BI)に関する問い合わせ対応/技術支援


【導入効果】

  • Outlook予定表の情報を効率的に利用した日報登録アプリにより、日報入力工数を大幅に削減
    Outlook予定表から取得したデータを取り込むことで、入力負荷が大幅に削減することが可能。
  • 日報入力によるコミュニケーション活性化
    担当者用と上司用の2種類のアプリにより、双方向のコミュニケーションが可能。
  • 社内のIT人材育成
    教育・技術支援プログラムの参加者に事前に目的や課題意識をインプットして動機付けを行うことにより、社内のIT人材育成につながる。

Power Platform内製化のポイント

上記ケーススタディから見えたPower Platformによる業務アプリ内製化のポイントは、アプリの新規開発・導入と教育、技術支援の三本柱でPower Platformを導入することです。

アプリ開発・導入に際しては、使い勝手のよいアプリ作成に向けて、お客様の要件について丁寧なヒアリングを行います。
アプリ開発・導入後に実施する2日間のPower Platform教育(集合研修)では、Power Platformでできることをご説明し、今後Power Platformを活用して実現したい業務改善イメージの具現化やPower Platformによる実現可否アセスメントなど、活用に向けた下地作りを行います。お客様側で参加者の皆さんへ所属部署の非効率な業務やPower Platformでデジタル化すべき業務の洗い出しなど、期待値の事前説明を行うことで、参加者の皆さんのモチベーションが上がり、各自が課題や明確な目的意識を持って積極的に参加してもらうことが可能です
また、技術支援期間中は、すでに導入・利用されているアプリの改修既存アプリの改善や業務改善に向けた新規アプリ作成のサポートを行います。

このように、内製化を成功させるためには、プロジェクト開始前に明確な目的やゴールを設定し、お客様が事前に教育プログラムの参加者にそれらをしっかりと説明されることが特に重要であることが見えてきます。十分に事前説明を行うことにより、参加者が明確な課題意識をもって教育プログラムに積極的に参加し、プログラム終了後の自走にもつながるでしょう。不明点や新規アプリ開発に向けての相談先として、教育後の技術支援も欠かせません。

まとめ

ノーコード/ローコード開発は市民権を得てきており、また、アプリを簡単に作成できる手段として期待されていますが、うまく利活用するためには、アプリ開発・導入と教育、技術支援など内製化支援を組み合わせた3つのステップで導入することがポイントです。そうすることで、社内におけるノーコード/ローコード開発の認知度を上げ、内製化への推進体制を築けるでしょう。また、教育の際は、先を見据えて誰に教育を受けさせるかを決め、どのようにインプット・アウトプットしてもらいたいか、を教育対象者に事前に伝えておくことが極めて重要です。

富士フイルムデジタルソリューションズでは、Microsoft 365ライセンスで利用可能なPower Platformを活用したノーコード/ローコードでのアプリ開発による業務効率化やDX推進をご支援しております。現行業務の整理からPower Platformの活用・内製化を目指した社内のIT人材育成や技術的なサポートまで一気通貫でご支援することが可能です。Power Platformの導入に疑問や不安を感じている企業様はぜひ一度ご相談ください。
当社のMicrosoft Power Platformソリューションについてはこちらをご覧ください。
当社のソリューション・サービスに関するお問い合わせは、こちらのフォームよりお願いいたします。

*1 https://kn.itmedia.co.jp/kn/articles/2207/21/news083.html

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