従業員体験を変えるERP:Dynamics 365 の革新

 Sep 11, 2025 8:00:00 AM  富士フイルムデジタルソリューションズ株式会社

 今回は、Dynamics 365の最新機能をご紹介します。 Dynamics 365の概要についてはこちらをご参照ください。 

従来の分析ツールは、基幹システムの外部にあることが多く、企業は複数のデータソースやスプレッドシートを使い分ける必要がありました。その結果、迅速な意思決定が遅れ、市場の変化への対応が難しくなる、といった課題に悩まされているお客様は少なくありません。

Microsoft Dynamics 365のERPソリューションに組み込まれた「ビジネスパフォーマンス分析機能」*1を活用することで、財務・業務・組織データを一つの管理された基盤に統合し、こうした課題を解決することができます。お客様は、分断されたシステムやバッチ更新に頼ることなく、プロセスに即したリアルタイムのインサイトを得ることができ、遅延や手間の大幅な削減が期待できます。さらに注目すべきは、Dynamics 365がダッシュボードの枠を超えて、AIエージェント*2による提案や自動実行まで可能になる点です。

 ここからは、ビジネスパフォーマンス分析機能がどのようにデータを統合し、Copilot*3AIエージェントを通じて意思決定を促し、統合された自律的な業務プロセスへの道を切り開くのかを見ていきましょう。 

データをひとつに:コンテキストを理解する統合モデル

財務諸表や業務ダッシュボード、パフォーマンス指標をまとめるために、バラバラなシステム・ツールや手作業のプロセスに頼っている企業は少なくないでしょう。
しかし、こうした寄せ集めの作業は時間を浪費し、ミスや重複を生む原因にもなります。
それは、生成AIに繰り返し作業の自動化や予測的な意思決定の支援を求めるようになる中で、課題は一層深刻になります。
なぜなら、AIの効果は、元となるデータの質と適時性に大きく左右されるためです。
AIエージェントが真価を発揮するには、データが継続的に更新され、コンテキストを理解し、管理されたデータ基盤上で動作する必要があります。

ビジネスパフォーマンス分析機能は、Dynamics 365のFinance、Supply Chain Management、Sales、Customer Insights、Field Service、Project Operations、Business Central、および外部のデータソースを統合し、業務プロセスのコンテキストを保ったまま一つの多次元モデルにまとめます。
この手法により、複数の業務システムを組み合わせて業務を実行しているような仕組みであっても、データの一貫性を保ちながら使える分析が実現します。
ビジネスパフォーマンス分析機能は、Dynamics 365に組み込まれているため、コストセンターや製品カテゴリ、人事構造、プロジェクト運営などを自然に理解します。

その結果、お客様は、製品の遅延がサプライチェーンのコストに与える影響や、予算変更が人員配置に及ぼす影響を、手作業によるマッピングや外部照合を行うことなく把握できます。

CopilotとAIエージェントによる意思決定支援

たとえば、Copilotはパフォーマンスの異常を検出し、その原因を説明し、是正措置まで提案してくれます。

さらに、AIエージェントを活用することで、予算の再予測や供給計画の調整などのタスクを、組織の目標や制約に基づいて自動的に実行することも可能です。
これらの機能により、お客様は後手に回るレポート作成から、先手を打つパフォーマンス管理へと進化できます。

インサイト主導の組織へ

Dynamics 365のビジネスパフォーマンス分析機能を活用することで、アジャイルでインサイト主導の組織の基盤を築くことができるでしょう。
財務・業務・戦略のすべてにおいて成果を最適化するために、統合されたデータ基盤、リアルタイムのインサイト、そしてAIエージェントが連携して機能します。
ビジネスパフォーマンス分析機能を導入することで、お客様は、KPI実績値の測定から、改善アクションを自律的に行っていく組織へと進化し、過去を報告するだけでなく、未来を創り出すこともできるようになるでしょう。

まとめ

Microsoft Dynamics 365のERPに組み込まれた「ビジネスパフォーマンス分析機能」は、財務・業務・組織データを統合し、リアルタイムでインサイトを提供します。従来の分断された分析環境に比べ、迅速な意思決定だけでなく、AIエージェントによる提案や自動実行も可能となります。
CopilotやAIエージェントが異常検知や業務調整を支援することで、組織は「報告を受けてから対応する」従来のスタイルから、「先回りして対応する」スタイルへと進化します。これにより、変化の激しいビジネス環境でも柔軟かつ迅速な対応が可能となり、お客様はリアルタイムのインサイトを活用したアジャイルな組織運営を実現できるでしょう。

富士フイルムデジタルソリューションズは、国内トップクラスのDynamics 365導入支援体制を有し、30ヶ国以上・500拠点を超えるグローバルな導入実績があります。豊富な知見と経験を活かし、大企業から中堅・中小企業まで、スピーディなERP導入をご支援いたします。

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*1  KPI(納期遵守率、計画外業務、在庫回転率等)の測定・可視化がリアルタイムに、かつ、タイムリーな改善アクションプランの策定・実行が行えるようになり、業務の最適化と迅速な意思決定を支援する機能。AIPower BIと連携し、業務改善の提案や予測分析も可能。一部機能がパブリックプレビューの段階で、一般提供はまだ開始されていません。(2025年9月時点)。詳細はMicrosoftのサイトをご確認いただくか、または上記の当社担当窓口までお問い合わせください。 
*2 AIを活用して特定のタスクや目的を自律的に実行するソフトウェアやシステム。 
*3 Microsoftが提供する対話型AI(人工知能)ツールで、情報検索、文書作成、画像生成などが可能。
出典:https://cloudblogs.microsoft.com/dynamics365/bdm/2024/03/04/ai-in-crm-and-erp-systems-2024-trends-innovations-and-best-practices/
解釈・翻訳:富士フイルムデジタルソリューションズ株式会社

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