弊社では自動車部品製造業界のお客様とのお取引が多くありますが、これらのお客様から次のようなお話を聞くことがあります。
自分たちの顧客である自動車メーカーから毎年QCDについて監査が行われ、製品品質の不良やデリバリー遅れが発生していると、改善施策の提示を求められるようです。
この過程で、ERPを導入して適用しているかなど統合型のシステムになっているかを聞かれ、スクラッチベースで業務別の基幹システムを使用している場合は、ERPや統合型のシステムを導入するようにと指導されるそうです。
これは、統合化されたシステムを使用していないと業務管理のレベルも低いとみなされるからです。逆にERPを導入し利用していればシステムも統合化され業務実態がリアルタイムに把握でき、したがって業務管理のレベルも高いと判断されるということです。
ひと昔前、業績低迷の企業を投資ファンドが買収して事業を立て直して利益性を高めて、再上場することで投資のリターンを回収することがはやっていましたが、このような投資ファンドが買収した企業では、事業立て直しに合わせてERPを導入することが一般的でした。PDCAによる業務管理の徹底、業務実態の見える化と業務効率化を合わせて実現できることからERP導入の施策が取られたからです。
このように、ERPを導入し利用していれば、それなりの業務管理が実施されているという評価が外部からはされやすいという面があります。
実際、前述の自動車部品製造業界の企業の中には、自動車メーカーからの指摘もERP導入のきっかけの1つになったという事例もありました。