今回は、Microsoft Dynamics 365 Financeの導入により企業が実現しうる投資収益率(ROI)に関する調査結果(2022年)をご紹介します。
この調査はマイクロソフトの委託を受けてフォレスター・コンサルティングが実施したもので、Dynamics 365 Financeを使用している4社へのインタビュー結果とインタビュー対象者の経験を集約し、財務担当者120 名、年間収益 7 億 5,000 万ドルの小売・卸売業の複合組織を想定して実施した調査結果をまとめたものです。
主な課題と調査結果
この調査に参加した企業が抱える共通の課題は、以下のようなものでした。
・メンテナンスコストの高いレガシーソリューション
・大幅なカスタマイズ
・標準化された財務プロセスの欠如
・手作業やノウハウへの依存
・リアルタイム可視性の欠如
これらの課題により、以下のようなソリューションへの投資につながりました。
・すぐに使えるコア財務・会計プロセスの提供
・リアルタイムの可視化による、財務チームの強化
・現在のビジネス需要に合わせた組織拡大・縮小の実現
調査の結果、Dynamics 365 Financeによる「財務チームメンバーの生産性向上」、「ITスタッフの生産性向上」、「レガシーコストの削減」という3つの領域への定量的な影響が明らかになりました。
財務担当者の生産性向上
レガシーERPでは手作業による報告書作成・配布が必要だったため、多くのサポート人員が必要となるだけでなく、一度配布された報告書の情報が古くなることもよくありました。さらに、地域、場所、場所の種類(小売、オフィスなど)によっても仕様が大きく異なり、プロセスの標準化は実質的に不可能でした。
Dynamics 365 Finance導入により拠点間の財務プロセスの標準化と効率化が実現し、リアルタイムの情報と自動化の活用により、一部の財務スタッフをより付加価値の高い業務のサポートに回し、人員増を回避することができました。
財務スタッフの生産性向上による3年間の現在価値は、230万ドルに相当します。
ITスタッフの生産性向上
多くの場合、レガシーソリューションは長年にわたるカスタマイズにより、機能管理・維持に多大なリソースを要し、専門知識を持つメンバーの異動等で、カスタマイズの追加は困難でした。
オンプレミスからクラウドベースのDynamics 365 Financeで標準化することにより、より少ないカスタマイズでより優れた機能を持つサポートしやすいソリューションとなり、IT 管理者と開発者の工数を大幅に削減できました。
ITスタッフの生産性向上による3年間の現在価値は、402,870ドルに相当します。
レガシーコストの削減
Dynamics 365 Financeへの移行により、インフラの支出削減、地域や事業部門ごとに重複するソリューションの廃止、会計監査費用の削減、拡張コストの低減ができました。これらの従来のコスト回避により、3年間で現在価値352万ドルに相当する削減が予測されます。
その他の効果
調査に参加した企業は、上記の定量的な効果以外にも以下のような効果を得ています。
・リアルタイムの可視性とデータによる、意思決定と俊敏性の向上
・法令遵守の向上
・システムの可用性の向上
・マイクロソフトのエコシステムとの統合
・財務部門社員の生活の質の向上
まとめ
このように、フォレスターの調査ではDynamics 365 Financeによる定量的な3つの主要な影響と、ソフト面での複数のメリットが明らかになりました。投資額280万ドルに対して3年間で341万ドルの経済効果を生み出し、ROIは122%でした。
Dynamics 365 Financeの導入により、総合的な経済効果が期待できます。
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出典:https://cloudblogs.microsoft.com/dynamics365/bdm/2022/08/25/the-total-economic-impact-of-dynamics-365-finance/
解釈・翻訳:富士フイルムデジタルソリューションズ株式会社