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生成AIによるERPの進化

AIの活用により、ERP(企業資源計画)システムは新たな時代に入っています。

近年、企業はAIを採用して、計画から予測までのプロセスを自動化し、強化してきました。そして今、生成AIは、業務効率化から情報分析に至るまで、仕事の進め方を刷新し、ERP全体のイノベーションを促進する画期的な技術として注目されています。

Microsoft Dynamics 365 Copilot(生成AI)機能の活用による作業の自動化や労働力の最大化、サプライチェーンプロセスへの生成AI適用に続き、Dynamics 365 Finance、Dynamics 365 Project Operations、Dynamics 365 Supply Chain Managementに含まれるERPポートフォリオ全体で、AIによる支援機能が導入されます。*1

ERPシステムは、財務、人事、調達、サプライチェーンなどのコア機能から、データを一元化して情報を分析するための中枢システムとして長い間利用されてきました。しかし、従来の ERPシステムでは、今日のグローバル市場の変化についていくのが困難になっています。また、従来のERPの複雑で硬直化したプロセスでは、手作業によるデータ入力が必要となり、担当者の負担が増加しがちです。 Dynamics 365 Copilotの活用は、財務管理者や債権回収担当者、プロジェクトマネージャーのタスク軽減にもつながります。

ERPデータから最大限の効果を引き出す

次世代AIによって新時代に突入した今、ビッグデータの活用は、さらに重要性を増しています。Microsoft Dynamics 365 は、Dataverseやビジネスインテリジェンスツールと連携し、分析情報やレポートの提供が可能なため、財務マネージャーやビジネスアナリストがデータ分析に費やす時間を削減できます。Microsoft Power BIやExcelなどの使い慣れたツールにCopilot 機能を組み込むことで、以下のようなことが可能となります。

・自然言語を使用したPower BIダッシュボードやレポート作成
・計画、予算、予測とビジネス戦略との連携
・販売および業務計画の合理化
・連結会計の自動化とシームレスな決算
・人材不足の戦略的な解消による有能な人材の確保、キャッシュフローを包括的に把握し、機械学習とAIを活用した高度な予測分析による精度の高い予測

これらのツールや技術を使用すると、パフォーマンスの最適化やリソースの効果的な割り当て、業績向上の促進に役立つでしょう。

自動化でプロジェクトマネージャーのタスクを軽減

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを時間通りに、予算内で完了させるのに苦労することがよくあります。Dynamics 365 Project OperationsのCopilot機能を使用すると、自然言語を使用してプロジェクトの詳細を記述するだけで、新規案件のプロジェクト計画を短時間で作成できます。プロジェクトマネージャーは、Copilotが生成したプロジェクト計画を精緻化するだけでよいのです。

プロジェクトが開始されると、Copilotを使用してプロジェクトのステータスレポートを作成できます。Copilotを使用すると短時間でレポートを生成できるため、レポート作成に費やす時間を短縮できます。また、Copilotに全プロジェクトを検索させて、大幅な遅延や予算超過など、プロジェクトを頓挫させる可能性のあるリスクを特定するように指示し、リスク緩和策を継続的に検討することも可能です。

以上のように、Copilotを使用すると、プロジェクトマネージャーは業務効率を向上させ、リスクを低減し、より戦略的で付加価値の高い活動に集中できるでしょう。


図:様々なプロジェクトステータスに応じてAIが作成してくれるサマリーイメージ

債権回収担当者と調達担当者の生産性を大幅に向上

債権回収担当者と調達担当者の生産性を高め、顧客との連携を強化するCopilot機能も追加されています。

経済見通しが不透明な現代においては、タイムリーな支払いと健全なキャッシュフローがますます重要になっています。Dynamics 365 FinanceのCopilot機能を使用すると、債権回収担当者は顧客の信用情報や支払履歴に素早くアクセスし、対応する顧客の優先順位を設定することができるため、回収率の向上や顧客との良好な関係の維持に役立ちます。

サプライチェーンの混乱は日常茶飯事であり、需要と供給は急速に変化する可能性があります。調達や購買の担当者は、毎日大量の発注書変更対応に目を通す必要があり、このプロセスに対処し合理化するツールを必要としています。
注文対応では、多くの場合、注文数量、納期、納入製品の変更が必要になります。その際、個々の注文の変更内容を1つずつ確認し、計画に対するリスクと潜在的な影響を特定する必要があります。Dynamics 365 Supply Chain ManagementのCopilotを使用することで、ユーザーは発注書の変更を効率的に処理し、影響とリスクを評価して、調達の意思決定を最適化できるようになります。影響の大きい変更または小さい変更を迅速に特定し、リスクに対処するために迅速な措置を講じることもできます。 また、自然言語を用いて関連情報を OutlookやTeamsに取り込み、社内外の関係者との迅速なコラボレーションが可能となり、顧客やパートナーのニーズに合わせて調達計画を迅速に適応させることもできます。

Copilotは、分析情報を得るまでの時間短縮、プロセス自動化により、生産性の向上に寄与するため、複雑化するビジネス環境で優位に立つことができます。 また、お客様のビジネスデータに基づいて管理でき、セキュリティ、コンプライアンス、プライバシーポリシー、規制、プロセスを自動的に継承できます。

まとめ

Microsoft Dynamics 365 のCopilot(生成AI)機能を活用することによって、以下のような効果が期待できます。
Dynamics 365 Financeでは、債権回収担当者は顧客の信用情報や支払履歴への素早いアクセスが可能となり、回収率の向上や顧客との良好な関係の維持につながるでしょう。
Dynamics 365 Project Operationsでは、プロジェクトマネージャーがステータスレポート、タスク計画、リスク評価などに費やす時間を大幅に軽減してくれるため、業務効率向上やプロジェクトのリスク低減につながり、プロジェクトマネージャーは、より戦略的で付加価値の高い活動に集中できるでしょう。
Dynamics 365 Supply Chain Managementでは、ユーザーが発注書の変更を効率的に処理し、影響とリスクを評価して、調達の意思決定を最適化できるようになるでしょう。

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*1Dynamics 365 Financeはプレビュー機能(2023年12月時点)。詳細はMicrosoft社のサイトをご確認ください。
出典:https://cloudblogs.microsoft.com/dynamics365/bdm/2023/06/15/introducing-next-generation-ai-and-microsoft-dynamics-365-copilot-capabilities-for-erp/
解釈・翻訳:富士フイルムデジタルソリューションズ株式会社